生物脱臭(ポーラスα)2段脱臭の効果
生物脱臭(ポーラスα)2段脱臭の効果
ポーラスαとは、㈱鳥取資源化研究所が製造するガラス発泡材です。多孔質の素材に生物が生息し、臭気を通気させることで脱臭します。ポーラスαは半永久的な素材で、水で湿らし続けることで脱臭能力が維持できるランニングコストが掛からない脱臭法です。
当社は排水処理工程から発生する臭気をこれで脱臭しています。生物脱臭なので、温度は30℃前後、臭気濃度もあまり高くない排気の処理に向いています。硫化水素やアンモニア等、比較的、脱臭し易い成分の処理に有効です。メチルメルカプタン等、脱臭処理し難い成分が含まれている場合は、2段脱臭が有効です。当社の導入事例を紹介します。
2段脱臭フロー
50m3タンクを2基設置(No.1脱臭槽、No.2脱臭槽)し、それぞれポーラスαを40m3ずつ充填します。タンク上部の隙間(10m3)は、シャワー散水スペースです。
臭気排気は、No.1脱臭槽の底側面から対角線上4か所から入れます。ポーラスαを通過した排気を、上から抜き、No.2脱臭槽の底側面に入れます。No.1脱臭槽と同様、対角線上4か所から入れると、均等にポーラスαを通過させることができます。処理後の排気は、No.2脱臭槽上部から大気放出します。
2段脱臭の効果
排水処理工程から発生する臭気は、硫化水素が主成分です。それにメチルメルカプタン、硫化メチルも若干、含まれます。硫化水素は比較的分解し易く、No.1脱臭槽でほとんど脱臭できます。メチルメルカプタンと硫化メチルはNo.1脱臭槽だけでは47~81%くらいしか脱臭できません。残りはNo.2脱臭槽で処理します。No.1とNo.2脱臭槽で全成分とも、ほぼ100%脱臭できます。
150m3/min通気した時の、脱臭データは以下のとおりです。
硫化水素 | メチルメルカプタン | 硫化メチル | |
No.1脱臭槽入口 | 2.5ppm | 1.7ppm | 0.8ppm |
No.2脱臭槽入口 | 0.026ppm | 0.32ppm | 0.42ppm |
No.2脱臭槽出口 | 0.0031ppm | 0.0015ppm | 0ppm |
No.1脱臭槽 臭気カット率 | 99% | 81% | 47% |
No.2脱臭槽 臭気カット率 | 88% | 100% | 100% |
No.1+No.2 臭気カット率 | 100% | 100% | 100% |