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口銭込みの産廃処理委託契約書の作り方

口銭込みの産廃処理委託契約書の作り方

「他人に産廃を処理委託する場合、書面で契約書を締結しなければならない」ことが、廃棄物処理法で定められています。 産廃処理委託契約書は、社団法人全国産業廃棄物連合会の雛形をベースに作成します。

雛形はこちら→keiyakusyoyousiki

契約書は「排出事業者(甲)」と「処理業者(乙)」の二者契約が基本です。委託数量と単価を記載し締結します。最もスタンダードな契約形態です。

しかし、費用の支払いについて第三者(丙)が介入するケースが多々あります。例えば、商社やコンサル会社が排出事業者に処理業者を紹介し、契約が成立したような場合、口銭(第三者の取り分)が発生します。廃棄物処理法では基本契約書に口銭込みの単価を記載してはならないと規定されており、契約形態が複雑化します。このようなケースの契約方法事例を紹介します。

口銭が排出事業者に公開されている場合

三者(丙)が介入している場合、産廃処理費 支払いの流れは「排出事業者(甲)」→「第三者(丙)」→「処理業者(乙)」になります。

口銭込み単価27.5円/kg(内訳:処理費25.0円/kg、口銭2.5円/kg)とすると ・「排出事業者(甲)」と「処理業者(乙)」の産廃処理委託契約書には、処理費25.0円/kgを記載します。 ・「排出事業者(甲)」「処理業者(乙)」「第三者(丙)」の覚書に口銭2.5円/kgを「甲」→「丙」に支払うことを記載します。

これが最もすっきりした契約締結方法ですが、口銭を「排出事業者(甲)」に開示しない場合の方が多いのが実態です。

口銭が排出事業者に開示されていない場合

産廃処理費 支払いの流れは「排出事業者(甲)」→「第三者(丙)」→「処理業者(乙)」として ・「排出事業者(甲)」と「処理業者(乙)」の産廃処理委託契約書には、27.5円/kg(口銭込み)を記載します。ただし「第三者(丙)」は「処理業者(乙)」を代行し、「排出事業者(甲)」に処理費を請求する旨を記載。 ・「処理業者(乙)」「第三者(丙)」の覚書に、口銭2.5円/kgを差し引いて「丙」→「乙」に25.0円/kgを支払うことを記載します。

廃棄物処理法では、処理業者の受取り額を明記するよう求められているので、覚書に25.0円/kgを記載することで法の要求事項をクリアできます。

廃棄物処理法を管轄している保健所に問い合わせたところ、口銭を開示して契約締結するのが、最も法的にクリア。口銭を開示できない場合は、上記の方法で締結するしかないが、法的には少しグレーになるようです。

廃棄物処理法に以下が規定されていますが、実際には第三者が介入し口銭が発生する契約も多く、保健所としては上記のような回答しかできないのが実態と思われます。 ・委託契約書は「排出事業者(甲)」と「処理業者(乙)」の二者で締結しなければならない。 ・委託契約書には口銭を除いた単価を記載しなければならない。