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新コスモス電機製ニオイセンサー比較

新コスモス電機製ニオイセンサー比較

当社は新コスモス電機製のニオイセンサーで、敷地境界の臭気を連続測定しています。機種は2種類(XP-329ⅢR、XP-329m)がありますが、主にXP-329ⅢRを使っていました。連続測定すると年1回、大気吸引ポンプが壊れ修理しなければなりません。修理代は約25万円。新品が35万円ほどなので、かなり高額です。敷地境界の連続モニタリングに高機能なXP-329ⅢRを使う必要があるのか、廉価版のXP-329m(新品13万円)が使えないのか、比較しました。結果、XP-329mで十分でした。 以下、比較結果です。

ニオイセンサー機種比較

XP-329ⅢR XP-329m
価格 35万円 13万円
電源 電池・ACアダプター 電池・ACアダプター
ゼロ点調整方法 活性炭を通した空気でゼロ点調整 臭いがない場所で、ダイヤルを回しゼロにする。
測定値範囲 0~2000 0~999
内部メモリ機能 あり あり
パソコンとの接続 専用ケーブルでRS-232Cポートに接続 専用ケーブルでUSBポートに接続
外部出力 0~200mV 0~999mV
使用環境 0~40℃、湿度10~80% 0~40℃、湿度10~80%
付加機能 モード切替えで、臭気指数0~40測定可 なし

敷地境界連続測定に必要なニオイセンサー機能

敷地境界で臭いを連続測定する目的は、異常を早く察知し、住民クレームを未然予防することです。住民はいつもと違う臭いを感じ、それが15分以上、続くような時にクレームを申し立てる傾向があります。この用途にニオイセンサーを使う場合、臭気強度を0~2000、又は0~999の数値で示す機能だけで十分です。人が臭いを感じる臭気強度は200くらいです。よって、測定範囲0~999のXP-329mで十分と言えます。

XP-329ⅢR 臭気指数の使用方法

近年、臭気指数規制を導入する行政が多くなっています。従来、悪臭物質濃度に規制値を設けていましたが、人の嗅覚と合うよう、臭いを数値化したものが臭気指数です。地域によって違いますが、敷地境界の臭気指数基準値は10~12くらいです。

敷地境界で臭気指数を10~12にするための、工場臭気排出口 臭気指数基準値もあります。排出口の高さや、排出速度、敷地境界までの距離により大気希釈度が変わるので、それを踏まえ、工場の臭気排出口毎に臭気指数基準値を計算で求めます。高さ60mの煙突から排出臭気の指数基準は30に対し、高さ30mの建屋の上から排出する臭気の指数基準は15という具合です。

臭気指数の正式な測り方は、試験員5名がサンプリングした臭気を嗅ぎ、無臭になるまで希釈した時の希釈度を測定結果とします。よって、結果がでるのに最低1日以上、掛かります。しかしXP-329ⅢRの機能を使えば、瞬時に概略値が分かるので便利です。

臭気指数モードで敷地境界を連続測定した場合、数値の変化が0~40と少なくモニタリングしにくいです。臭気強度0~999くらいの幅で変化した方が、異常に気付き易いです。