環境法令管理の方法
環境法令管理の方法
規制体系一覧表の運用
ISO14001には順守評価の要求事項があります。順守評価とは、該当する法令を全て順守できていることを評価することです。この要求事項を満たすには、法令の把握と、評価の方法を一つひとつ決め、これらを一元化した管理表の運用が必要です。
法令には、以下のように様々な性格の規制があります。これらを法令別に整理したものが規制体系一覧表です。
- 設置や改修、廃止時に届出が必要なもの
- 届け出た数値を変更する時に届出が必要なもの
- 法令で決められた環境値を定期的に測定し、記録を残す必要があるもの
- 工事等に伴い一時的に届出が必要なもの
一覧表の構成は、以下のとおりです。
法令名 | 条項 | 届出書類名 (記録名) | 要求事項 | 期限 (頻度) | 提出先 | 作成 部署 | 順法 管理表 | 順法 評価者 |
大気汚染 防止法 | 〇条〇項 | 〇〇届出書 | 別表〇の特定施設設置時に届出 | 着工 60日前 | 保健所 | 〇部 | 稟議前 法令 チェックリスト | 〇課長 |
〇条〇項 | 〇測定記録 | SOx濃度を定期的に測定し記録を残す。基準値〇ppm | 年1回 | なし | 〇部 | 環境値測定結果推移表 | 〇課長 |
ここで、右端の「順法管理表」「順法評価者」欄が、順法評価方法を記載した部分です。
「順法管理表」とは、届出書類を忘れず提出するのに活用するチェック表だったり、環境測定値が基準値以下であることを管理する推移表のことです。
特定施設設置の着工60日前に届出することに気づくため、稟議起案時に必ず法令チェックリストで届出該当有無を確認し、その結果を「順法評価者」が承認するルールを運用して、順法性を担保していることを表しています。順法評価者は、相当の知識がある人を選任し明記しておきましょう。人事異動があった時、後任者を選任し、届出漏れがあった際、責任の所在が曖昧にならないようにしておきましょう。